09. 羊の解体 ~クルバン・バイラム（犠牲祭）~ ※閲覧注意
※今回羊の一部解体画像を載せております、はてなブログのガイドラインを読みましたが人を不快にするような意図のものや、余りに過度なものでも無いと判断したので掲載します。
こんにちわ、
今週はトルコにおいてクルバン・バイラム（犠牲祭）という祝日の週です。
このせいで先週は実家等に帰る人で溢れてバスが込み合ってイスタンブルからアダナに帰るのに相当難儀しました(結果的にカフラマンマラシュを経由)。ご近所でお世話になってる方が相当小規模だけど羊の農場をやっており、定期的に羊の散歩(放牧)に付き合ったりしていましたが、明日この祝日特有の例の羊の屠殺＆解体をやると教えてくれたので今回写真等残しました。
朝7:40頃に現地に向かうと鉄の扉の付近から染み出るような血のあとが。既に一体目の羊をおおかた捌ききった後で、二匹目を捌くところから見学しました。
首にナイフを入れる瞬間、祈りの言葉をささやきながら、スッと首の半分程度まで刃を入れて鮮血が下のバケツに注がれていきます、その瞬間は羊はそれほど動きません。この祈りの言葉ささやき期間は10-20秒程度ですが、その声のトーンは神への祈りというより「成仏しろよ...できるだけ楽に死ねよ...」と、むちゃくちゃに例えれば太平洋戦争時の日本兵がもう助からない仲間を楽にするための最中の声のトーンのように感じました。
私はその前日の夜偶然「戦場のメリークリスマス」を観ていました。確かに動物ですが、このレベルの生き物(大きさかオーラか)を殺す覚悟はそれなりのものだと思います。
解体の方はこちらが日本人(外国人)と知ると「俺はシリア人だ」と教えてくれました。ただ、トルクメン(ここではシリア国内のトルコ系少数民族)だとも言って7年前からトルコで住んでいると言い、素早く皮を剥いでいきます、やはりこちらでは「～人」と誰かを簡潔に言い表すのは難しいことが多い。
最初に地上で羊の首にナイフを入れ、足の辺りから羊に空気を入れ(ゴム風船に空気を入れるかのように"口で")頭を切り離し、手足の先端も切り、皮を中央に切り込みを入れてから剥いでいき、皮を剥いだら上に吊るし、内臓までparça parça(部位部位に)切り分けていきます。
20分程度で最終的に羊は肉の塊になりました。
写真は載せてませんが内臓も綺麗に切り分けて内臓は別で洗います。
2体屠るのを見ていてふと気づいてのは首にナイフを入れてから20秒ぐらいたった同じタイミングでどちらも一度首から空気が漏れるような音が聞こえました。首を完全に切り離すまで四肢はバタバタと暴れ、胴と首が離れて数秒もゆっくりとだけ足が動く(力を抜いていくような)光景が印象的でした。
いつか自分も羊を捌けるかどうかをふと考える、2匹目を捌く最中に一度羊の足を持ち上げる作業を手伝いました、もうすぐ死ぬ生きている脚を握る、血臭も凄いが羊自体も臭い、毛越しでも脚は硬い、羊が息絶える直前からその後数十秒まで羊の足に触れる、時間が経ってもまだ温かい、生きている感触と変わりませんでした、そのとき気持ち悪いと思った私はその状態では殺せないでしょう。
別件でふと思いますのはこの犠牲祭の間月曜～金曜までお役所や銀行はお休みです、ですんでそこで働いている人は一週間以上の休みとなるでしょう。ですがショッピングモール等は日本のお盆のように大稼働で閉店時間を24時まで伸ばしているような案内も見ました。人の領分に踏み込むつもりはないんですが、働いている人の振り替え休日等はどうにかできているんでしょうか、トルコも地味に人によって相当な長時間労働です。労働密度は緩いかも知れませんが普通に週6で12時間労働、基本睡眠不足になりますね。
読んで頂きありがとうございました。
三匹目の羊を屠殺場に持ち込む様子
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